2020年の民法改正で買主保護制度が瑕疵担保責任から契約不適合責任へと変わりました。
このことにより、不動産売却時におけるインスペクションの重要性が高まってきています。
そこでホームインスペクションとはどのような目的でおこなうものか、かかる費用などについてご紹介します。
不動産売却におけるインスペクションとは?
不動産売却時におこなわれるインスペクションでは、専門家による建物の調査のことを指します。
この建物状況調査では、構造耐力上主要な部分と雨水の侵入を防止する部分について調査をおこないます。
調査をおこなうのは、既存住宅状況調査技術講習を修了した建築士でなければなりません。
また対象となるのは既存住宅のみで、店舗や事務所は対象外です。
調査は国が定めた既存住宅状況調査方法基準に従っておこなわれますが、目視が中心となりすべての欠陥がわかるわけではありません。
不動産売却におけるインスペクションの目的とは?
インスペクションとは建物の調査をさしますが、なぜ不動産売却時の必要性が高まっていているのでしょうか?
インスペクションの大きな目的は、安心して売却するためです。
2020年の民法改正により、買主保護の制度が契約不適合責任へと変わりました。
これにより売主側が負う責任がより一層重いものとなり、不動産売却時にインスペクションをおこなう方が増えてきています。
またインスペクションをおこなうことは、瑕疵担保保険の付保要件の1つです。
瑕疵担保保険を付保すれば付加価値がつき、高値での売却も見込めるでしょう。
また買主側には、安心して購入するためという目的もあります。
万が一欠陥があったとしても、事前にわかっていれば修繕などの計画が立てやすくなるため、メリットは大きいと言えるでしょう。
不動産売却におけるインスペクションにかかる費用は?
不動産売却時にメリットが大きいインスペクションですが、おこなうためには費用がかかります。
どれくらいかかるのか、事前に知っておきたいという方も多いでしょう。
インスペクションのためにかかる費用相場は、5万円前後と言われています。
延べ床面積に応じて価格に差をつけている会社もあり、給排水管路検査をオプションでつけることも可能です。
時間は1〜3時間程度ですが、実施から報告書をもらうまでに1週間ほどかかることが多いため、余裕を持って依頼するようにしましょう。
また瑕疵担保保険付保の目的でおこなう場合は、条件があるため注意が必要です。
既存住宅状況調査技術講習を修了した建築士がおこなわなければ、付保の要件とはなりません。