不動産を売るときに必ずと言っていいほど耳にする言葉に「按分」があります。
土地と建物の価格内訳を決めることを指す言葉で、物件を持っている方のなかでも知っている方は限られているでしょう。
ここでは按分とは何か、どのような方法があるのか、そして注意点まで解説していきます。
不動産売却における按分とは
按分とは、売却時の価格から土地と建物の内訳を決めることを指す言葉です。
多くの場合、不動産売却価格は総額で表示されているので、売買契約を結ぶ前に土地はいくらか、建物はいくらか決めなければなりません。
不動産売却における按分の方法
按分方法は、売主と買主で決める、固定資産税評価額によって決める、不動産鑑定士の評価額によって決める3つに分かれます。
売主と買主で決める
按分は売主と買主の間で自由に決められます。
ただし、なかなか合意に至らず、トラブルに発展することが多いため、あまり選択されることはありません。
固定資産税評価額によって決める
固定資産税評価額は土地と建物ぞれぞれに算出されていることから、1番選ばれています。
国税庁も推奨しており、公平な割合なので双方納得することが多いでしょう。
不動産鑑定士の評価額によって決める
プロの不動産鑑定士に評価額を出してもらい、その価格によって決める方法です。
公平ではあるものの依頼のために費用がかかるので、実はあまり選ばれない方法です。
不動産売却における按分時の注意点
按分する際の1番の注意点は、売主は土地の割合が多いほうを希望し、買主は建物の割合が多いほうを希望する点です。
どちらも税金の支払いや控除が関係し、購入や売却後により得になるように割合を決めたいところでしょう。
売主と買主の当事者同士で話し合いをしていくと、この「自分の希望」を全面的に押し出すこともあり、トラブルに発展しやすい部分です。
より公平で、双方納得のいく根拠のある割合を出すことが重要です。
そのため、国税庁が推奨している固定資産税評価額による按分方法がもっとも選ばれているのでしょう。